日本臨床外科学会雑誌
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症例
血清CEA高値を呈しS状結腸への浸潤が疑われた虫垂粘液嚢胞腺腫の1例
高橋 遼山崎 俊幸岩谷 昭登内 晶子大谷 哲也片柳 憲雄
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キーワード: 虫垂粘液嚢腫, CEA高値, 浸潤
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2014 年 75 巻 5 号 p. 1341-1345

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抄録
症例は70歳台,男性.左下腹部痛を自覚し当院受診となった.腹部エコー検査にて下腹部正中に腫瘤を認め,CT検査にて虫垂先端に連続する90mm大の嚢胞性腫瘤を認めた.血液検査上CEA 28.9ng/dlと上昇しており虫垂粘液嚢腫を疑い開腹手術を施行した.術中所見では膀胱上に手拳大の腫瘤と一部粘液の漏出を認めた.S状結腸と強く癒着し浸潤も疑われたことから,虫垂粘液嚢胞腺癌を疑い回盲部切除・D3郭清およびS状結腸部分切除を併施し腫瘍を摘出した.病理結果は虫垂粘液嚢胞腺腫,S状結腸との癒着は漏出した粘液による炎症性の癒着であった.術後経過異常なくCEAも4.8と正常化を認めた.他臓器との癒着を伴い合併切除が必要とされた良性の虫垂粘液嚢腫は本邦において過去30年間に5例のみの報告であることから,まれな病態と考えられ若干の文献的考察を加え報告した.
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© 2014 日本臨床外科学会
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