日本臨床外科学会雑誌
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症例
妊娠25週で発症反復し31週で帝王切開と結腸切除を行ったS状結腸軸捻の1例
向山 順子多田羅 敬西沢 祐輔大村 典子辰巳 嘉章橘 史朗
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キーワード: 妊娠, S状結腸軸捻, 帝王切開
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2014 年 75 巻 5 号 p. 1360-1364

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抄録
症例は32歳,女性.妊娠歴に特記すべき異常はない.妊娠20週頃より時折腹痛を自覚.妊娠25週5日に10日間排便がなく,腹痛が増強したために当院救急外来を受診.腹部X線写真でS状結腸はガス貯留により著明に拡張し,coffe bean signを認めた.S状結腸軸捻の診断にて経肛門的にイレウス管を挿入し,翌日には結腸内ガスの減少と腹部膨満感の改善認めた.しかし,以降食事を再開すると軸捻が再燃し,計6回の経肛門的イレウス管挿入を必要とした.正期出産まで保存的加療を続けるのは困難であり,胎児の発育を待ち,妊娠31週3日に帝王切開術とS状結腸切除術を施行した.術後経過は母児ともに良好である.
妊娠中のS状結腸軸捻の合併は比較的稀であるが,診断が遅れると母児ともに生命の危険が生じる病態である.妊娠中の本症に遭遇した時は母児ともに安全を確保した適切な治療選択が求められる.
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© 2014 日本臨床外科学会
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