抄録
症例1は64歳,女性.紹介医にて右卵巣腫瘍の疑いで開腹腫瘍摘出術を施行され,孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor以下,SFT)と診断された.以後3回の再発に対し,それぞれ切除術を施行した.4回目の再発で,多中心性に腹膜播種を認め,初回腫瘍切除から25カ月でbest support careとなった.症例2は41歳,男性.急性胆嚢炎に対し開腹胆嚢摘出術が施行された際,右骨盤内(直腸右側近傍)に25mm大の腫瘤と大網に白色結節を認めた.大網結節は切除され,SFTと診断された.骨盤内腫瘤は経過観察となったが,3年後のCTで29mmへ増大し,腹腔鏡下腫瘍切除術を施行した.現在術後5カ月無再発で経過観察中である.組織学的には2例ともSFTに特徴的な紡錘形細胞腫瘍を呈し,免疫染色ではCD34が陽性であった.骨盤内由来のSFT 2例を経験したので文献的考察を加え報告する.