日本臨床外科学会雑誌
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症例
臍静脈板内炎症性腫瘤の1例
山本 雅樹上田 和光高橋 遍吉岡 佑一郎酒向 晃弘杉田 真太朗丸山 常彦
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2014 年 75 巻 5 号 p. 1437-1442

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抄録
症例は73歳,女性.主訴は上腹部痛と発熱.夕食中に突然心窩部痛が出現し他院受診,肝腫瘤の診断で当科紹介となった.CT・MRCPにて,肝内側区域に30mm大の辺縁に淡い造影効果があり,中心部に石灰化を伴う腫瘤を認めた.また,肝左葉内の胆管拡張と内側区域の門脈枝の狭窄と同部位の肝委縮がみられた.術前診断は石灰化を伴うことが非典型的ではあるが腫瘤形成型肝内胆管癌を疑い,拡大肝左葉切除,肝外胆管切除,リンパ節郭清術を施行した.病理診断は,悪性所見なく,石灰化と線維化を伴う炎症性腫瘤であった.しかも病変の発生部位は肝実質ではなく臍静脈板内であった.自験例と同様な疾患は過去に文献的報告が無く,肝鎌状間膜膿瘍の一亜型と考えられ極めて稀な疾患として報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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