日本臨床外科学会雑誌
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症例
遷延する発熱に対し生検にて診断した腸間膜原発壊死性リンパ節炎の1例
水野 文園田 寛道清水 智治石田 光明谷 徹
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2014 年 75 巻 6 号 p. 1602-1606

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抄録
症例は22歳,男性.39度の発熱,腹痛と下痢を認め,急性腸炎と診断され,他院にて抗菌薬の投与を受けたが,2週間以上改善を認めなかった.腹部造影CT検査で上腸間膜動静脈および回腸枝周囲の腫大した最大径36mmのリンパ節が集簇していた.診断と治療目的に当科にて開腹下に回腸末端の腸間膜リンパ節を生検し,病理組織学的検査にて壊死性リンパ節炎と診断された.術後,予防的抗菌薬を7日間投与した.術後10日目の腹部造影CTにて最大リンパ節は28mmまで自然縮小し,発熱も認めなかったため退院した.術後5週間の腹部造影CTにてリンパ節は10mm程度まで縮小し,以後再発は認めていない.本症例は,確定診断までに長時間を要し,結局開腹リンパ節生検を要したが,当初から本疾患が念頭にあれば手術を回避できた可能性もある.抗菌薬等に反応しない遷延する発熱を認めた場合には壊死性リンパ節炎を念頭において診断,治療を行うべきであると考えられた.
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© 2014 日本臨床外科学会
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