日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
総説
ファブリー病と腎移植
祖父江 理
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2015 年 3 巻 1 号 p. 23-30

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抄録

ファブリー病はαガラクトシダーゼA酵素の遺伝的欠損により,糖脂質が細胞内へ蓄積する先天性脂質代謝異常症である。X染色体遺伝性をとるため,患者は基本的に男性(ヘミ接合体)である。若年期より四肢疼痛,発汗低下などを,成人期には腎機能障害,心機能障害などを呈する疾患である。ファブリー病に対する腎移植は,生着率は他原疾患と同等とされるが,生存率に劣り,移植後も酵素補充療法が必要である。男性血液透析患者の約1.2%にファブリー病が潜在するとの報告もあり,原疾患不明の腎不全を呈する若年男性への腎移植に際しては,ファブリー病を念頭に置いた病歴聴取が必要である。一方でヘテロ接合体女性も X染色体のランダム不活性化によって症候性となる可能性がある。本稿では,ファブリー病男性患者への腎移植と偶然のファブリー病ヘテロ接合体女性からの腎提供に関して,当院で経験した症例を交えて,これまでに得られている知見について概説する。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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