日本臨床外科学会雑誌
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症例
化学療法中に胃脾瘻孔形成をきたした脾原発悪性リンパ腫の1例
池田 宜孝加藤 智栄吉田 久美子小野田 雅彦古谷 彰河野 和明
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2014 年 75 巻 6 号 p. 1695-1701

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抄録
患者は81歳,男性.脾原発悪性リンパ腫,Ahmann分類stage 3の診断で化学療法(R-CHOP)が施行されていた.化学療法開始3カ月後の経過観察CTで偶然に胃脾瘻孔が発見された.胃脾瘻孔に対し手術が考慮されたが,1)瘻孔による症状が無い,2)脾原発悪性リンパ腫の予後が極めて不良のため化学治療を優先した.
胃脾瘻孔発見から3カ月後,突然の出血・ショックのため,緊急で脾臓摘出+胃部分切除+膵尾部および横隔膜合併切除を施行した.術後ショックからは離脱できたが,悪性リンパ腫の急速な進行増悪のため術後33日目に死亡した.脾原発悪性リンパ腫に合併した胃脾瘻孔の外科手術は,以前の報告から腫瘍が限局したAhmann分類のstage 1・2は有効と思われるが,本症例のようにstage 3に進行した症例では極めて困難と考えられた.
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© 2014 日本臨床外科学会
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