日本臨床外科学会雑誌
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症例
CEAが偽陽性を呈し直腸癌との鑑別に苦慮した直腸狭窄型虚血性大腸炎の1例
那須 亨小林 康人吹上 理山本 基寺澤 宏出口 真彰
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2014 年 75 巻 7 号 p. 1944-1948

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抄録
症例は80歳,女性.1カ月以上続く便柱狭細化と便秘を主訴に前医を受診し,下部消化管内視鏡検査(colonoscopy,以下CS)で直腸粘膜の全周性浮腫と狭窄を指摘された.以前よりCEA高値を指摘されており,精査目的で当院紹介.内視鏡下生検組織診断で悪性所見は認めなかったが,継続する全周性直腸狭窄とCEA高値より直腸癌を否定できず,開腹術を施行した.しかし,直腸および骨盤内に腫瘍を認めなかった.術中にCSをしたところ,直腸の狭窄は改善していたため直腸切除は行わず,保存的に経過をみることとした.一週間後に再びCSを行ったところ,軽度の直腸狭窄を認めたのみであり,直腸狭窄型虚血性大腸炎と診断した.直腸狭窄型虚血性大腸炎は比較的まれであり,さらにCEA高値を伴った症例はこれまでにほとんど報告がなく,若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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