日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腹腔鏡下切除を施行した骨形成性直腸癌同時肝転移の1例
柏原 秀也島田 光生栗田 信浩佐藤 宏彦吉川 幸造東島 潤
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 75 巻 7 号 p. 1949-1954

詳細
抄録
症例は50代,男性.腹部膨満・排便困難を主訴に前医を受診した.直腸癌による腸閉塞,肝転移(S2,6,8)と診断され当科紹介となった.同日,緊急にS状結腸人工肛門造設術を施行し,一週間後,腹腔鏡補助下肝部分切除術+腹腔鏡下低位前方切除術(D3)+人工肛門閉鎖術を施行した.摘出標本による病理組織学的検査では,主腫瘍は高分化腺癌で膀胱への直接浸潤を認め,腫瘍の壊死部近傍には骨形成を認めた.肝転移巣には骨形成を認めなかった.外来補助化学療法を行っていたが,術後10カ月に残肝再発をきたし,術後3年2カ月,外来にて化学療法継続中である.
骨形成性大腸癌の発生頻度は約0.4%であり,腫瘍内部に壊死を伴い,低悪性な癌とされているが,自験例では膀胱浸潤・肝転移を認め,必ずしも低悪性ではないことが示唆された.骨形成性大腸癌の肝転移は比較的稀であり,腹腔鏡下に同時切除した報告は本邦で初であるため報告する.
著者関連情報
© 2014 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top