抄録
75歳,男性.72歳時からS8を中心とした多発肝細胞癌の診断でTACEとRFAを繰り返した.画像上,横隔膜浸潤を伴う局所再発像を認め,肝中央二区域切除・横隔膜合併切除術を施行した.病理組織学的に一部に紡錘状細胞を認め,免疫染色ではCK19陽性,hepatocyte陰性,AFP陰性であったことから,肉腫様変化を伴う肝内胆管癌再発と診断した.術後12カ月後に横隔膜切除断端からの再発を認め,横隔膜・右肺部分切除術を施行した.さらに,再手術後6カ月で縦隔リンパ節転移再発を認めた.病変が小さい場合,肝細胞癌と肝内胆管癌の鑑別に難渋する場合がある.本症例のように1病変に対して局所療法を繰り返すことにより,肉腫様変化をきたす可能性も報告されている.臨床的に肉腫様変化の診断は容易ではなく,局所制御に難渋する肝腫瘍症例においては,根治を期待できる切除を積極的に考慮することが望ましいと考えられた.