日本小児外科学会雑誌
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原著
ガストログラフィン®注腸の便塞栓解除効果についての検討
立花 奈緒村越 孝次坂口 千穂
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2019 年 55 巻 4 号 p. 809-814

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抄録

【目的】水溶性消化管造影剤アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン液(ガストログラフィン®)の便塞栓解除効果は経験的に認識されているが,慢性便秘症に関する報告は少なく臨床的根拠は乏しい.ガストログラフィン®注腸を行った慢性便秘症症例における便塞栓解除効果について,前向き観察研究(コホート研究)を実施した.

【方法】対象は2015年5月から2016年7月に,便秘を主訴に来院した1歳以上16歳未満の症例で,Rome III基準に合致し,超音波検査で直腸横径が27 mm以上の例.ガストログラフィン®注腸施行7~10日後に再診し,便性,直腸横径を評価した.

【結果】対象157例のうち,除外例を除く64例を検討した.年齢中央値は4歳2か月(37~68か月),男児41例.直腸横径は初診時に平均38.1 mm(標準偏差8 mm),再診時に27 mm未満に正常化した症例は33例(50.8%),初診時に比して縮小した症例は57例(87.7%)だった.便塞栓が残存した群と消失した群では,初診時の年齢と直腸横径に有意差を認めた.多変量解析では直腸拡大の改善に初診時の直腸横径(OR 0.67, 95% CI 0.47-0.96),年齢(OR 0.18, 95% CI 0.64-0.50)の関連が認められた.Bristol Scaleは初診時に平均3.2,再診時に平均4.6であり,有意に便性軟化を認めた.

【結論】ガストログラフィン®には便塞栓解除効果がある可能性が示された.これは便性軟化により便塞栓解除が促進されたためと考えられる.便塞栓を来した症例は,早期から積極的な介入を行う必要があり,ガストログラフィン®注腸はその一助となる.

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