日本臨床外科学会雑誌
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症例
先天性胆道拡張症に対する分流手術後23年で発症した膵内遺残胆管癌の1例
齋藤 敬太坂田 純廣瀬 雄己小林 隆皆川 昌広若井 俊文
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2014 年 75 巻 7 号 p. 2014-2018

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抄録
近年,先天性胆道拡張症に対する分流手術後の晩期合併症として遺残胆管癌の発生が問題となっている.今回,先天性胆道拡張症に対する分流手術後23年目に膵内遺残胆管癌を発症した1例を経験したので報告する.症例は69歳の女性.46歳時に先天性胆道拡張症に対して,分流手術が施行された.検診の腹部超音波検査で膵頭部に腫瘤を指摘された.腹部CT検査で膵頭部に径28mm大の嚢胞性腫瘤が認められ,その内部に遅延濃染される結節が存在した.内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査で主膵管を介して遺残胆管が描出され,胆管内には腫瘤と粘液による造影欠損像が認められた.分流手術後の膵内遺残胆管癌の診断で,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術が施行された.術後6カ月が経過し,無再発で外来通院中である.本症例の経験および文献的考察から,分流手術後は遺残胆管の発癌を念頭に置いた長期の経過観察が必要であることが示唆される.
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© 2014 日本臨床外科学会
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