日本臨床外科学会雑誌
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症例
大網に原発した孤立性線維性腫瘍の1例
千田 貴志石川 文彦尾本 秀之新田 宙伊藤 博兼子 耕宮崎 勝
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2014 年 75 巻 7 号 p. 2032-2036

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抄録
症例は45歳の女性で,検診にて腹腔内腫瘤を指摘され精査目的に入院となった.腹部超音波検査にて下行結腸内側に52mm大の腫瘤を認めた.腹部造影CTでは動脈相にて腫瘤全体が濃染し,血管造影にて右胃大網動脈の大網枝の拡張と腫瘤への血流を認め,大網腫瘍の診断にて腹腔鏡下腫瘍摘出術を施行した.術中所見では大網の左下部に拡張した栄養血管を有する腫瘍を認めたが,下行結腸や腹壁とは連続性を認めなかった.流入血管を処理し,臍部を小切開し腫瘍を摘出した.標本は5.5cm大,多結節性の灰白色な腫瘍であり,病理組織学的検査所見では短紡錘形細胞がpatternless patternをとりながら増殖していた.免疫組織学的染色ではCD34とbcl-2は陽性を示したが,c-kit・S100蛋白・desminは陰性であり,大網原発の孤立性線維性腫瘍と診断した.大網原発孤立性線維性腫瘍はまれであり,文献的考察を加えて報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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