抄録
目的:大腸癌同時性肝転移例の一期的肝切除の治療成績を明らかにする.対象と方法:当院で1991年-2010年に経験した一期的肝切除例で肉眼的根治切除をしえた64例.術後合併症の危険因子,予後規定因子の検索を行った.結果:Clavien-Dindo分類Grade2以上の術後合併症は19/64例(29.7%)に生じた.肝転移巣の最大径>50mmでは有意に術後合併症が多かった.再発は45/64例(70.3%)に認め,初再発部位は肝が33例(73.3%)で最も多かった.3年生存率と5年生存率は66.5%,49.2%であった.術前CA19-9高値(≧37U/ml),原発巣リンパ管浸潤陽性は独立した再発・予後規定因子であった.結語:CA19-9高値,原発巣リンパ管浸潤陽性例では根治度B切除後も予後不良であり,周術期化学療法などの集学的な治療について検討すべきと考えられた.