日本臨床外科学会雑誌
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症例
神経線維腫症I型に合併した男性乳癌の1例
西 敏夫中野 芳明西前 綾香稲治 英生山崎 大
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2014 年 75 巻 9 号 p. 2404-2407

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抄録

症例は32歳の男性で,主訴は痛みを伴う左乳房腫瘤.既往歴として5年前にvon Recklinghausen病と診断された.触診にて左乳頭直下に2cm大の硬い不整型の腫瘤を触知した.また,体幹を中心に全身の皮膚に色素斑と米粒大から拇指頭大の柔らかい腫瘤を多数認めた.マンモグラフィにて左乳頭下に境界不明瞭な腫瘤を認めた.乳腺エコーでは20×17mmの内部エコー不均一な腫瘤像であり,針生検にて悪性であった.胸筋温存乳房切除術+センチネルリンパ節生検を行った.術後病理検査では乳頭腺管癌でセンチネルリンパ節には転移は認めず,ER弱陽性(5-6%),PR弱陽性(5%),HER2-,Ki67 0.8%であった.術後薬物療法としてタモキシフェン投与を行った.von Recklinghausen病に合併した男性乳癌でことに若年者での報告は極めてまれであり,若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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