抄録
Rendu-Osler-Weber病(ROW病)は出血性毛細血管拡張や臓器の血管異常性病変を主徴とする常染色体優性の遺伝性疾患であり,肺動静脈瘻はその合併症の一つである.今回,われわれはROW病に合併した肺動静脈瘻に対して外科的切除を施行し有効であった症例を経験したので報告する.症例は51歳,女性.以前より検診で胸部異常陰影を指摘され,約1年前に息切れと下腿浮腫が出現し当院内科を受診した.精査にて貧血と肺動静脈瘻を認め,最終的にROW病と診断された.外来経過観察となっていたが,息切れが徐々に著明となり,手術目的に当科へ紹介された.CTで左肺舌区に肺動脈・肺静脈と連なる42mm大の肺動静脈瘻を認めた.手術は流入出する拡張した肺動静脈を1本ずつ切離し,舌区域切除を施行した.術後経過良好で術前の低酸素血症は著明に改善した.ROW病に合併した肺動静脈瘻は稀であり,外科的切除が最も安全で効果的な治療である.