2014 年 75 巻 9 号 p. 2478-2481
症例は46歳,女性.突然の腹痛のため当院受診.US・CTにて腹水・拡張小腸を認め,絞扼性イレウスを疑われ緊急手術となった.腹腔内には血性腹水を認め,捻転した細い腸管様索状物下に回腸末端が入り込み絞扼性イレウスとなっていた.索状物はMeckel憩室が茎捻転して上行結腸に癒着しループを形成したもので,癒着部を切離したところ絞扼が解除された.絞扼されていた腸管は次第に血色が改善したが捻転していたMeckel憩室は基部回腸を含め血色が回復しなかったため回腸切除を行った.術後は良好に経過し第11日目に軽快退院した.今回,われわれは癒着し茎捻転したMeckel憩室によるループ下に小腸が陥頓し絞扼性イレウスとなった稀な病態を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.