日本臨床外科学会雑誌
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症例
下行結腸癌子宮転移の1例
高木 健裕京兼 隆典渡邉 克隆久世 真悟
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キーワード: 大腸癌, 子宮転移
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2014 年 75 巻 9 号 p. 2494-2498

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抄録

症例は82歳の女性.下行結腸癌に対してD3郭清を伴う左半結腸切除術を施行した.病理組織学的には中分化型腺癌でss,ly1,v0,n0,stage IIであった.術後29カ月後に腫瘍マーカーが上昇し,CTおよびPET検査で骨盤内に腫瘤を認め,腹膜播種再発と考えFOLFIRIを施行した.43カ月後のCTでPDとなりFOLFOX6へ変更した.55カ月後に腫瘍の増大傾向がみられたが,新たな病変の出現は無く骨盤内2箇所で限局していた.MRIで骨盤内再発部位は右卵巣と子宮頸部と考えられ,経腟的生検で大腸癌子宮頸部転移と診断した.子宮頸部および右卵巣転移再発に対して,子宮全摘および両付属器切除術を施行した.術後13カ月後に肺転移と腹膜播種再発を認めたが,現在初回手術より79カ月,子宮全摘より20カ月経過し担癌生存中である.大腸癌の子宮転移は非常に稀であり,過去報告例の臨床病理学的特徴について検討を行った.

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© 2014 日本臨床外科学会
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