抄録
患者は73歳,女性.1年前に噴門部小弯前壁に隆起性病変を指摘,増大傾向があるため行った生検で神経内分泌腫瘍(NET)の診断であった.上部消化管内視鏡検査で病変は7mm大であった.腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)による胃局所切除の方針とした.病変の漿膜面に置いたクリップと内視鏡針状メスを人工的に穿孔させた焼灼マーキングを指標に切除線を決定し超音波凝固切開装置で全層切除を行った.内視鏡観察のもと自動縫合器で胃壁欠損部を閉鎖した.病理組織学的検査で切除断端は陰性であった.術後透視で噴門の狭窄を認めなかった.噴門部NETに対しLECSの手技を用いることで腫瘍を遺残なく切除しつつ機能を温存することが可能であった.