抄録
後腹膜脂肪肉腫は比較的稀な疾患で切除が唯一確立した治療であるが,しばしば再発を生じる.頻回手術により比較的長期の生存を得ている症例を報告する.50歳,女性.左後腹膜腫瘍に対し腫瘍切除術を施行.重量4,000g,病理組織学検査で高分化型脂肪肉腫であった.その後,再発を反復し8年間で6度の手術を行った.手術2:左総腸骨動脈前面に再発し,尿管と剥離し腫瘍を切除した.手術3:左後腹膜に再発した腫瘍を切除し,腸間膜を損傷したためS状結腸切除術も行った.手術4:左後腹膜に複数個の再発をきたし,腫瘍切除術と左腎摘,S状結腸切除術を併施,術後に腫瘍剥離面への放射線治療を行った.手術5:腹腔内への再発を認め手術,空腸に浸潤があり合併切除した.手術6:下行結腸外側に再発し,結腸合併腫瘍切除を施行した.その後,再発したが周囲への浸潤が強く切除を断念した.経過中の腫瘍は全て高分化型脂肪肉腫であり脱分化型への変性は認めていない.