抄録
症例は77歳,男性.腹部膨満,食欲不振,嘔吐を認め受診した.腹部エックス線検査で小腸の拡張を認めたが水分の摂取は可能であった.経腸栄養など保存的加療を行ったが症状の改善を認めなかった.小腸腫瘍を疑い小腸切除を予定した.手術では拡張と発赤を伴う菲薄化した小腸を140cmにわたり認め,同部位の小腸を切除した.切除小腸では粘膜面に多数の潰瘍病変と粘膜下血腫を認めた.病理組織診断でAL型アミロイドの腸管壁沈着を認め,アミロイドーシスの診断に至った.骨髄検査で本態性M蛋白血症(MGUS)の診断に至った.AL型アミロイドーシスでは化学療法が勧められるが,本症例では手術により症状改善を認めたこと,致死的病変を認めないこと,化学療法による副作用を考慮して,経過観察を行っている.術後3年が経過したが消化管症状の増悪はない.