日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
13歳の特発性胃破裂の1例
植田 吉宣進藤 廣成安達 登山根 貴夫齋藤 元伸亀岡 信悟
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 76 巻 11 号 p. 2724-2728

詳細
抄録
症例は13歳,女児.急性の心窩部痛・吐血から意識障害をきたし,ショックの状態で当院へ救急搬送された.腹部CTでは大量の腹水およびfree airを認め,消化管穿孔による汎発性腹膜炎と診断し救命処置を行ったが救命できなかった.剖検したところ,胃底部前壁に約1.5×1.3cmおよび1.3×1.0cmと2箇所の破裂部位を認めた.破裂原因は不明であり,特発性胃破裂による汎発性腹膜炎およびショックによる死亡と診断した.本症例は胃底部の特発性胃破裂と考えられる病態による急激な転帰で死亡に至った例であり,非常に稀な症例と思われるため若干の文献的考察を踏まえ報告する.
著者関連情報
© 2015 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top