抄録
症例は66歳,女性.右側腹部痛を主訴に初診.CTで肝下面-右腎-上行結腸間に嚢胞状の腫瘤があり,当初は肝嚢胞の出血と判断された.その後の精査で上行結腸壁に腫瘤を伴う横行結腸癌と判明し,結腸右半切除術を施行した.切除標本では横行結腸の癌は33×30mm大,4型の腫瘍でpT4a(SE),主に低分化腺癌像を呈していた.上行結腸壁の腫瘤は線維化を伴う35mm大の漿膜下血腫で,血腫線維組織内に癌の転移巣を認めた.本症例は結腸癌の結腸への転移巣における血腫形成を契機に発見された稀な症例であり,若干の文献的考察を加え報告した.