抄録
症例は72歳,男性.排便時の出血を主訴に当院を受診した.下部消化管内視鏡検査で直腸Rbに3/4周性2型病変を認め,生検で低分化腺癌と診断した.腹部CTでは傍大動脈リンパ節の腫大と左尿管狭窄を認めた.Stage IV直腸癌と診断したが,腸閉塞回避のため双孔式人工肛門造設術を施行した.手術中にサンプリングした傍大動脈リンパ節には低分化腺癌の転移を認めた.術前より白血球15,500/μlと上昇を認めていたが,術後に白血球の漸増を認め,術後10日目で白血球53,600/μlとなった.血中G-CSF濃度は280pg/mlと高値で,転移リンパ節の免疫組織化学染色でG-CSFが弱陽性であり,G-CSF産生直腸癌と診断した.FOLFOX6・Bevacizumab併用療法を2コース施行したが,多発肝転移・多発リンパ節転移が出現し,術後2カ月で癌死した.G-CSF産生直腸癌は予後不良であり,文献的考察を加えて報告する.