理学療法学Supplement
Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 105
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骨・関節系理学療法
セミリカンベントエルゴメータの有用性
自転車エルゴメータとの比較
江連 智史玉木 宏史石垣 直輝岡田 亨
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抄録
【はじめに】近年セミリカンベントエルゴメータは開発が進み,高齢者の予防的リハビリテーションからアスリートのトレーニングまで幅広く活用されている.しかし,この運動が筋活動にどのように作用するか,また機種による差があるのか検証した報告は少ない.そこで今回,2種類のセミリカンベントエルゴメータの有用性を検証するため,自転車エルゴメータとの比較を筋活動量の観点から検討した.
【対象】下肢疾患を有しない健常人15名(男性9名、女性6名),平均年齢23.6±3.2歳,平均身長164.3±7.2cm,平均体重57.3±8.1kgである.
【方法】セミリカンベントエルゴメータはBIODEX社製バイオステップ(以下BS)とセノー社製ニューステップ(以下NS)を用いた.また自転車エルゴメータはセノー社製自転車エルゴメータ(以下EM)を用いた.表面筋電図はNORAXON社製マイオシステムを用い,筋活動量の抽出は表面筋電図の使用法に準じて行った.対象筋は被検者の右腓腹筋内側頭,右内側広筋,右半腱様筋とした.これらの筋に対し,徒手筋力検査法に準じ最大随意努力にて筋発揮を行わせ,得られた波形を100%で正規化,整流し,%MVCを算出した.各運動は30Wの負荷でペダルを10秒間駆動させ,波形が安定した5回転分の平均を1周期とした.さらにこれを膝伸展相,屈曲相に分け,3群間の比較分析を行った.統計学的手法としてscheffe法による多重比較検定を用い,有意水準は5%未満とした.
【結果】1周期の平均%MVCは,BS群で腓腹筋内側頭(10.82),内側広筋(9.50),半腱様筋(6.49),NS群は腓腹筋内側頭(7.91),内側広筋(7.51),半腱様筋(4.16),EM群では腓腹筋内側頭(9.17),内側広筋(6.04),半腱様筋(2.44)であり,各群間において有意差を認めなかった.また屈曲相の平均%MVCは,BS群で腓腹筋内側頭(9.39),内側広筋(6.62),半腱様筋(4.44),NS群は腓腹筋内側頭(4.05),内側広筋(5.82),半腱様筋(2.47),EM群では腓腹筋内側頭(5.59),内側広筋(2.68),半腱様筋(2.06)であり,内側広筋においてのみ有意差を認めた.伸展相では各群間ともに有意差を認めなかった.
【考察】今回の研究により内側広筋において1周期の平均%MVCはBS,NS,EMの順で高値を示したが,有意差はみられなかった.しかし屈曲相の内側広筋においてセミリカンベントエルゴメータ(BS,NS)はEMと比較して,有意に高値を示した.このことから屈曲相において内側広筋は遠心性収縮の形態をとるという特徴が示唆された.
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© 2008 日本理学療法士協会
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