抄録
閉経後乳癌患者に対するアロマターゼ阻害剤の長期投与は骨代謝への影響が懸念されている.そこで,アナストロゾール(ANA)を5年間投与した患者について,その治療によって次の4群に分けて投与前と投与後の骨密度を検討した.N群(n=8):ANAのみを投与した群,V群(n=5):ANA投与中にビタミンD3製剤(Vit D)を併用した群,VB群(n=10):当初からVit Dを併用するも途中からビスフォスフォネート製剤(Bis)へ変更した群,B群(n=14):最初からBisを併用した群.5年後の骨密度変化率は,N群:-11.7%,V群:-14.1%,VB群:-6.5%,B群:+1.6%となっていた.VB群においてBisを途中から投与することにより骨密度減少の程度が改善され,さらにB群においては投与前の骨密度を保つことができた.以上より,Bisを併用することで骨密度の低下を予防できる可能性が示された.