日本臨床外科学会雑誌
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症例
術後短腸症候群を発症するも救命した90歳原発性小腸軸捻の1例
菅 淳瀬山 厚司末廣 祐樹井口 智浩井上 隆守田 知明
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2015 年 76 巻 3 号 p. 525-528

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抄録
癒着や腸回転異常などに起因しない原発性小腸軸捻は比較的稀な疾患で,小腸壊死をきたした場合は予後不良である.今回われわれは,超高齢者に発症した原発性小腸軸捻に,小腸大量切除を施行した.術後短腸症候群を発症したが,その後,良好な経過が得られたので報告する.症例は90歳,女性.腸炎で他院に入院加療中,腹満感と嘔吐が出現した.癒着性イレウスを疑われ,精査加療目的で当院へ紹介となった.腹部CTで小腸軸捻が疑われ,緊急手術を施行した.小腸が上腸間膜動静脈を軸に時計回りに360度捻転し,広範囲に壊死していた.癒着等捻転の原因は認められず,原発性小腸軸捻と診断した.捻転を解除し,壊死小腸を大量に切除した.回盲弁は温存,残存小腸は約50cmとなった.術後短腸症候群を発症したが,その後,水様性下痢は軽快し,術後48日目には経口摂取のみで栄養学的自立が得られた.
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© 2015 日本臨床外科学会
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