日本臨床外科学会雑誌
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症例
DIC-CTが確定診断の一助となった胆石イレウスの1例
好中 久晶亀岡 伸樹長野 郁夫金澤 英俊佐藤 太一松本 直基
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2015 年 76 巻 3 号 p. 588-592

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抄録
症例は50歳,男性.腹痛,嘔吐を主訴に受診.来院時の腹部CTでイレウス,胆管気腫を認め入院となった.イレウスの治療目的でイレウス管を留置する際にガストロフィンによる造影で胆嚢十二指腸瘻を認めた.上部消化管内視鏡検査を施行し,十二指腸の瘻孔部に嵌頓した結石片を認め摘出した.胆道の評価のため施行したDIC-CTで偶然に小腸閉塞部の陰影欠損を認め,胆石イレウスを強く疑った.緊急手術を施行し,閉塞部小腸から結石片を摘出した.画像診断で胆道系の情報が不明瞭であったので,胆道十二指腸瘻に対する手術は行わなかった.術後4週間の上部消化管内視鏡で胆嚢十二指腸瘻はほぼ閉鎖し,無症状なため,胆嚢十二指腸瘻に対する手術は行っていない.今回われわれは,DIC-CTが確定診断の一助となった胆石イレウスの1例を経験したので報告する.
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© 2015 日本臨床外科学会
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