日本臨床外科学会雑誌
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症例
Meckel憩室が嵌頓した大腿ヘルニアの1例
金子 達哉二村 好憲遠藤 悟史仲本 嘉彦当間 智子高石 聡
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2015 年 76 巻 3 号 p. 642-646

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抄録
今回Meckel憩室が嵌頓した大腿ヘルニアの1例を経験したので報告する.
症例は86歳の男性.右鼠径部の腫脹・疼痛を主訴に受診.腹部単純CTにて鼠径部に内部低信号な26mm大の腫瘤を認めた.限局した鼠径部腫瘤と判断し摘出を試みたが,腫瘤は鼠径靱帯の尾側に存在し大腿輪へと繋がっており大腿ヘルニア嵌頓と判明.ヘルニア嚢を切開したところ,回腸末端より50cm口側に存在したMeckel憩室が嵌頓していた.先端に一部虚血性変化を認めるも壊死・穿孔の所見なく,憩室切除しMcVay法により大腿ヘルニアを修復した.
嵌入部位を問わずMeckel憩室がヘルニア内容となったものをLittréヘルニアと呼ぶ.Meckel憩室が嵌頓した大腿ヘルニアの報告は少なく,その中でも男性での発症は稀である.疼痛などの自覚症状がありながら通過障害を認めない鼠径部腫瘤に対しては本疾患を考慮し診療に臨む必要があると考えられた.
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