抄録
目的:膵頭十二指腸切除術(PD)後の栄養状態の変化を,術後脂肪肝発症と再発の有無で検討した.方法:PD後34例を対象とし,術後脂肪肝発症の有無で脂肪肝群と非脂肪肝群に分類した.アルブミン,総タンパク値のほかに,CTで大腰筋面積を測定した.結果:中央値12カ月の観察期間でPD後脂肪肝は8例(23.5%)認めた.両群間で原疾患の再発率,術前・術中・術後因子に差はなかった.アルブミン,総タンパクは非脂肪肝群でPD前後に有意差はないが,脂肪肝群で低下を認めた.大腰筋面積は両群とも術後に減少したが,脂肪肝群でより減少を認めた.再発の有無では,再発ない症例はPD前後で大腰筋面積に差を認めず,再発ある症例では有意に低下した.結語:PD後の術後脂肪肝症例や再発症例では筋肉量減少など栄養障害が認められ,QOLや予後の改善のために積極的な栄養サポートを行うことは重要と考えられた.