日本臨床外科学会雑誌
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症例
直腸癌側方転移と鑑別を要した閉鎖神経発生神経鞘腫の1例
山田 理大石井 大介谷 誓良浅井 慶子千里 直之三代川 斉之古川 博之
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2015 年 76 巻 4 号 p. 850-856

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抄録
症例は71歳,女性.発症から23年経過した全大腸炎型,再燃・緩徐型の潰瘍性大腸炎のサーベイランス内視鏡検査にて直腸癌を指摘された.造影CTおよびMRIにて左側方リンパ節領域に15mm大の腫瘤を認め,左側方リンパ節転移が疑われた.潰瘍性大腸炎関連直腸癌,T3N3M0,Stage IIIbの診断にて,腹腔鏡下大腸全摘,回腸嚢肛門吻合とともに左側方郭清を施行したところ,閉鎖神経に連続するように紡錘状に腫大する類円型腫瘤を認め,閉鎖神経を切離して腫瘤を摘出した.病理組織所見では,免疫染色にてS-100陽性,MIB-1 index 1.6%,異型核分裂像を認めず,Antoni A type主体の良性神経鞘腫と診断した.術後にADLに支障をきたすような左下肢の神経学的症状は認めなかった.閉鎖神経発生の後腹膜神経鞘腫は稀であり,文献的考察を加えて報告する.
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© 2015 日本臨床外科学会
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