日本臨床外科学会雑誌
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症例
腸閉塞で発症した外側型盲腸周囲ヘルニアの1例
貴島 孝盛 真一郎馬場 研二瀬戸山 徹郎貴島 文雄夏越 祥次
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2015 年 76 巻 5 号 p. 1064-1068

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抄録

症例は85歳,男性.嘔吐,腹痛を主訴に当院内科を受診した.腹部手術の既往はない.右下腹部に軽度の圧痛を認め,腹部造影CTで盲腸周囲の小腸に狭窄を認め,腸閉塞の診断にて入院となった.保存的加療で改善せず,第7病日に当科へ転科.同日,イレウス管を挿入し減圧を行ったが狭窄所見が持続したため,第13病日に内ヘルニアの診断で手術を施行した.盲腸外側傍結腸溝に径1.5cmの腹膜陥凹部を認め,約20cmの回腸が嵌頓していた.用手的に嵌頓を解除後,腹膜陥凹部を縫合閉鎖し手術を終了した.本症例は,本邦で従来から汎用されてきた分類法の範疇に入らない外側型であり,臨床的見地から分類したMeyer分類で外側型と分類される.盲腸周囲ヘルニアの一つとして,外側型盲腸周囲ヘルニアは念頭に置くべき疾患と思われた.

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© 2015 日本臨床外科学会
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