日本臨床外科学会雑誌
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症例
小腸と瘻孔を形成した結腸癌の2例
竹林 正孝
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2015 年 76 巻 5 号 p. 1081-1086

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抄録

大腸癌が消化管に内瘻を形成するのはまれである.今回,空腸結腸瘻と回腸結腸瘻を形成した大腸癌の2例を経験したので報告する.症例1:52歳,女性.腹痛とイレウス症状で受診.腫瘍マーカーは異常高値を示し,CTでS状結腸腫瘍と肝転移と診断した.S状結腸切除術および空腸合併切除術を施行した.腫瘍は中分化腺癌で空腸と瘻孔を形成していた.術後6カ月で原病死した.症例2:82歳,女性.腹膜炎症状で受診.CTで回盲部腫瘍を認めた.穿孔性虫垂炎による腹膜炎と診断したが,回盲部腫瘍と回腸・横行結腸浸潤のため拡大結腸右半切除術を施行した.盲腸腫瘍は低分化腺癌で回腸に瘻孔を形成し,さらに横行結腸の漿膜下層にまで浸潤していた.術後2年無再発生存中である.結腸癌による小腸結腸瘻はまれで本邦では自験例を含め35例であった.本疾患は他臓器浸潤例ではあるが,遠隔転移がないときは積極的な合併切除で予後は期待できるものと思われた.

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