日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝細胞癌小腸転移の2例
阪田 麻裕倉地 清隆山本 真義原田 岳坂口 孝宣今野 弘之
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2015 年 76 巻 5 号 p. 1142-1149

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抄録

転移性小腸腫瘍は比較的稀な疾患で,出血や穿孔,イレウス,腸重積に伴う症状で発見されることが多く,加えて他臓器転移を合併することが多く予後不良とされている.今回われわれは,肝細胞癌(以下HCCと略記)の転移性小腸腫瘍に対して外科的切除を行った2例を経験した.症例1は72歳の男性.HCCに対し肝拡大左葉切除術施行6年後,小腸腫瘍による腸重積に対して小腸部分切除術を施行した.症例2は72歳の男性.HCCに対し肝拡大左葉切除術施行3年後,小腸腫瘍からの出血に対して小腸部分切除術を施行した.2症例とも病理組織学検査でHCCの転移性小腸腫瘍と診断された.いずれの症例においても術後経口摂取が可能となり,QOLの改善に有用であった.HCCの転移性小腸腫瘍の報告で,血行性転移と思われるものは自験例を含めて10例のみであり,文献的考察を加え報告する.

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© 2015 日本臨床外科学会
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