抄録
症例は42歳の男性で,2005年に右鼻腔癌に対して,右鼻腔腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的所見はadenocarcinoma,pT1,cN0,cM0,pStage Iで,術後予防的に放射線照射50 Gy施行し,原発巣はCRとなった.2010年に初回肝転移再発を認め,肝外側区域切除術,肝部分切除術(S2,S4)を施行した.その後,肝転移再発に対して,2012年に肝前腹側区域切除術,肝部分切除術(S4,S7),2013年に肝部分切除術(S1,S6,S7,S8),2014年に残肝前区域切除術,肝部分切除術(S6)を施行し,初回肝転移再発後4年の生存を得ている.鼻腔癌は頭頸部癌の中で頻度が低く,鼻腔腺癌はまれな組織型とされる.また,鼻腔腺癌の肝転移単独の再発症例報告は極めてまれで,肝転移巣を切除した報告はない.鼻腔腺癌の肝転移に対して,積極的な肝切除が有効であった1例を報告する.