日本臨床外科学会雑誌
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症例
高CEA血症を呈した神経内分泌型非浸潤性乳管癌の1例
寺澤 孝幸笠島 敦子福田 かおり古謝 進
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2015 年 76 巻 9 号 p. 2105-2110

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抄録
症例は56歳,女性.卵巣癌術後の定期的な腫瘍マーカーの測定において,血清CEA値の上昇を指摘された.悪性腫瘍の検索の結果,FDG-PET検査で右乳腺にFDGの集積が確認され,超音波検査で右乳腺の広い範囲に点在する低エコー病変から経皮針生検を行い,非浸潤性乳管癌と診断された.病変は腫瘤を触知せずマンモグラフィーでは所見はなく,MRIでは広範な濃染像を示した.手術標本の病理診断では広い範囲の乳管内癌が認められた.拡張乳管内で多稜形細胞が線維血管性間質を伴い,充実性・乳頭状構造を呈して増殖し,chromogranin A・neuron specific enolaseの発現を認め,神経内分泌型非浸潤性乳管癌と診断した.腫瘍細胞は,免疫染色でCEA強陽性であり,切除手術により速やかに血清CEA値は正常化したことから,非浸潤性乳管癌の腫瘍が産生したCEAが高CEA血症の原因と思われる,極めて珍しい例と考えた.
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© 2015 日本臨床外科学会
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