抄録
症例は45歳,女性.左乳房腫瘤を主訴に受診した.左乳房全体に弾性硬,可動性不良な巨大腫瘤を認め,一部は皮膚表面へ露出していた.乳腺超音波検査では辺縁境界明瞭で,内部比較的均一な低エコー腫瘤を認めた.造影CTでは左乳房に18×15×14cmの辺縁優位に造影される腫瘤を認めた.腫瘤は大胸筋に広く接していたが,腋窩に明らかな腫大リンパ節を認めなかった.針生検を2回施行し,乳腺線維腺腫と診断した.皮膚浸潤を伴う巨大腫瘍であり,悪性を否定できず乳房切除術を施行した.病理組織学的検査では乳腺管状腺腫と診断した.乳腺管状腺腫は稀な疾患であり,本邦報告例は自験例を含め36例のみであった.自験例はその中でも腫瘍径が最大であったので,若干の文献的考察を加えて報告する.