日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除術を施行した多発胃GISTの1例
山本 和幸住吉 徹哉才川 大介鈴木 善法川原田 陽奥芝 俊一
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2015 年 76 巻 9 号 p. 2158-2162

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抄録

症例は62歳の男性で,近医で胃粘膜下腫瘍を6年間経過観察されていた.増大傾向を認め当院を紹介受診した.胃穹窿部前壁に25mm大の管内発育型,その肛門側に15mm大の管外発育型の粘膜下腫瘍を認めた.2病変の距離は約4cmであった.口側の腫瘍は漿膜筋層縫合後に経口内視鏡による全層切除,肛門側の腫瘍は漿膜筋層切開後に腹腔鏡操作により全層切除した.口側の腫瘍は,ESDの手技で粘膜下層を剥離した後に,腹腔鏡操作により,剥離された部位の漿膜筋層を縫合し,経口内視鏡により全層を切除した.肛門側の腫瘍は,腹腔鏡操作で腫瘍近傍の漿膜,筋層を全周性に切開して腫瘍を腹腔側へ十分に牽引し,自動吻合器を用いて切除した.穹窿部の4cm離れた2個の胃gastrointestinal stromal tumorに対し,胃の切除,変形を最小限にする試みを報告する.

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© 2015 日本臨床外科学会
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