日本臨床外科学会雑誌
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症例
鈍的外傷を契機に膿瘍化した肝血管腫の1例
本田 晴康津澤 豊一川田 崇雄熊谷 嘉隆林 誠一
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キーワード: 肝血管腫, 鈍的外傷, 膿瘍化
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2015 年 76 巻 9 号 p. 2268-2272

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抄録
症例は農林業に従事する79歳,男性.16年前の胃癌手術時に,肝左葉外側区域の85mm大の血管腫を指摘されたが,増大傾向なく無症状に経過していた.今回,山林での伐採作業中に直径3cmの木の枝が心窩部に当たり,数日後より発熱が生じた.近医で抗生剤が投与されたが,高熱が持続したため当院紹介となった.画像検査で血管腫の大部分が膿瘍化していると判断し,経皮経肝ドレナージを施行した.細菌培養検査でペニシリン耐性大腸菌が検出されたが,感染経路は不明である.ドレナージ等により解熱したが,血管腫構造が残存しており,膿瘍腔の縮小が認められなかったため手術(肝左葉外側区域切除)を施行した.切除肝は155gで,中心部に線維性被膜で被われた嚢胞状病変があり,内部には膿が充満していた.組織学的には血管腫構造が認められ,内部に膿瘍形成が認められた.肝血管腫が膿瘍化した稀な1例を経験したので手術適応などの考察を加え報告する.
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© 2015 日本臨床外科学会
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