抄録
症例1は52歳,男性.右季肋部痛を主訴に当院内科を受診した.血液・画像検査にて胆石性胆嚢炎の診断となり,当科で腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.術中,胆嚢漿膜面に赤褐色の15mm大の腫瘤を認めた.病理学的組織検査では,小葉構造をもつ肝組織で,副肝と診断された.症例2は74歳,女性.心窩部痛を主訴に近医を受診した.血液・画像検査にて胆石性胆嚢炎・総胆管結石の診断となり,内視鏡的排石後に,当科で腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.術中,胆嚢漿膜面に赤褐色の10mm大の腫瘤を認めた.病理学的組織検査では,正常構造をもつ肝組織であり,副肝と診断された.
副肝は,本邦では現在まで約100例程度しか報告されていない稀な疾患であり,腫瘤が小さいことが多く,他疾患の手術時に発見されることが多い.今回,胆石性胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の際に,胆嚢に副肝を認めた2例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告する.