日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下手術を施行した逆回転型腸回転異常を伴う進行S状結腸癌の1例
島 卓史山本 誠士鱒渕 真介田中 慶太朗奥田 準二内山 和久
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2016 年 77 巻 1 号 p. 117-121

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抄録
腸回転異常症の発生率は1万人に1人である.その中で,逆回転型を呈するものは約4%とまれである.今回われわれは,逆回転型腸回転異常症を伴った進行S状結腸癌に対し,腹腔鏡下手術を施行した1例を経験した.症例は77歳の男性で,血便の精査にて進行S状結腸癌と診断された.術前精査にて,下行結腸は腹部右側で上行結腸の右背側に存在し,小腸は腹部左側に位置しており,逆回転型腸回転異常症が考えられた.解剖学的異常のため腹腔鏡下手術の難易度が高くなると想定された.しかし,3D-CTを駆使して術前に血管と結腸の走行を確認し,十分に術前シミュレーションすることで腸回転異常症を伴う進行大腸癌に対しても,栄養血管を同定し,適切なD3リンパ節郭清を伴う腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行することが可能であった.逆回転型腸回転異常を伴った進行大腸癌に対する腹腔鏡下手術の報告は比較的まれであるため報告する.
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