日本臨床外科学会雑誌
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症例
脾sclerosing angiomatoid nodular transformationの1例
成田 知宏阿佐美 健吾高橋 一臣原田 ジェームス統水野 豊矢嶋 信久
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2016 年 77 巻 1 号 p. 190-196

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抄録

症例は59歳,男性.人間ドックにて胆嚢と脾の異常を指摘され,精査目的に当院受診となった.精査にて胆嚢ポリープと脾臓に70mm大の腫瘍を認めた.脾腫瘍は悪性疾患を除外できず,胆嚢切除術・脾切除術を行った.脾腫瘍は病理組織検査上,毛細血管に富む血管腫様の構造,すなわちangiomatoid nodule(AN)の像を有していた.免疫染色では3種の異なる血管構造が観察されたため,脾sclerosing angiomatoid nodular transformation (SANT)と診断した.医学中央雑誌にて「sclerosing angiomatoid nodular transformation」をキーワードに本邦報告例を検索すると,14件・15例の報告を認めるのみであった.今回われわれは稀な脾SANTの1例を経験したので,本邦報告例の検討と併せて報告する.

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© 2016 日本臨床外科学会
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