日本臨床外科学会雑誌
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症例
腸閉塞を契機に診断した空腸異所性膵癌の1例
伊藤 慎吾武田 良平小島 豊五藤 倫敏冨木 裕一坂本 一博
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キーワード: 異所性膵, 膵癌, 腸閉塞
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2016 年 77 巻 1 号 p. 185-189

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抄録
症例は66歳の女性で,10年前に後腹膜腫瘍に対して正中切開で摘出術を施行されている.嘔吐を主訴に当院を受診した.腹部CT検査で拡張した小腸と,骨盤内正中の小腸に造影効果を伴う壁肥厚を認め,腸閉塞と診断し胃管留置による保存的治療を施行した.胃管抜去すると,再び嘔吐が認められ,癒着性イレウスを疑い原因診断と治療目的に手術を施行した.手術所見ではTreitz靱帯より80cm肛門側の空腸に20mm大の漿膜面は白色調を呈する全周性の腫瘍を認め,漿膜浸潤を伴う小腸癌を疑い小腸部分切除術を施行した.病理診断では,小腸粘膜下層~固有筋層内のHeinrich II型の空腸異所性膵組織から発生した膵癌の所見であった.空腸に発生した異所性膵癌の報告は非常に稀であり,文献的考察を加えて報告する.
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© 2016 日本臨床外科学会
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