日本臨床外科学会雑誌
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症例
単孔式腹腔鏡下手術が診断・治療に有用であった成人重複腸管穿孔の1例
西脇 紀之吉田 有佑梶原 義典橋本 将志浜野 郁美松本 祐介
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キーワード: 重複腸管症, 穿孔, 腹腔鏡
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2016 年 77 巻 2 号 p. 358-362

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抄録

症例は39歳,男性.右下腹部痛を主訴に受診.右下腹部を中心とする圧痛と,炎症反応の上昇を認めた.腹部造影CTでは右下腹部に周囲の脂肪濃度上昇を伴う腫瘤像を認め,虫垂穿孔による急性腹膜炎の診断にて単孔式腹腔鏡下手術を施行した.虫垂には炎症所見を認めず,腹腔内には多量の汚染腹水を認めた.回腸末端より90cm口側の回腸腸間膜側に炎症を伴う腫瘤を認め,回腸への付着部で穿孔していた.腫瘤を含む回腸部分切除術を施行.病理組織検査では重複腸管穿孔の診断であった.穿孔性腹膜炎にて発症した成人重複腸管症は稀であり,診断・治療に腹腔鏡が有用であった.

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© 2016 日本臨床外科学会
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