抄録
目的:胆嚢結石症に対して待機期間を経て胆嚢摘出術を行う場合に,待機期間中に急性胆管炎・胆嚢炎(以下,急性胆道炎)を発症するリスク因子について検討した.方法:2011年4月から2013年10月に当院で待機期間を経て胆嚢摘出術を受けた胆嚢結石症症例を,待機中に急性胆道炎を発症したA群14例と発症しなかったB群188例に分け比較検討した.結果:待機以前に中等症以上の急性胆嚢炎を発症した症例(p=0.006),1カ月以内に複数回の胆石発作を認めた症例(p=0.032),PTGBD施行例(p=0.040)はA群で有意に多かった.画像所見では胆嚢壁肥厚(p=0.034),結石の頸部嵌頓(p=0.001)はA群で有意に多かった.結語:高度炎症を伴う胆嚢炎症例,胆石発作が頻回な症例,胆嚢頸部への結石嵌頓例は,手術待機期間中の急性胆道炎発症のリスクが高く,より早期の手術や待機期間の慎重な管理が望まれる.