日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳腺扁平上皮癌と鑑別を要した径10cmの乳房有棘細胞癌の1例
大屋 久晴福岡 伴樹真田 祥太朗宇野 泰朗佐野 正明越川 克己
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2016 年 77 巻 3 号 p. 522-527

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抄録
乳腺扁平上皮癌の頻度は全乳癌の0.1-0.4%とされている.今回,von Recklinghausen病を有する症例で,巨大な左乳房腫瘍に対し生検を行い,扁平上皮癌の結果で診断・治療方針の選択に難渋した症例を報告する.
症例は64歳,女性.平成27年1月,左乳房腫瘤を主訴に当科を受診した.胸部CTでは左乳房に不正形腫瘤と左腋窩リンパ節腫大を認めた.針生検では扁平上皮癌の結果で,乳腺扁平上皮癌の頻度が少ないことから乳腺扁平上皮癌に加え有棘細胞癌も鑑別にあがった.病理医・皮膚科医師とともに検討し,皮膚癌の可能性は低いとされたため,乳癌臨床病期T4bN1M0 Stage IIIBと診断した.術前補助化学療法を施行後,左乳房切除術・左腋窩郭清を行った.手術標本での病理検査所見では,腫瘍は表皮から連続する扁平上皮癌で,既存乳腺と腫瘍との連続性を認めないため有棘細胞癌の診断となった.
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