日本臨床外科学会雑誌
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症例
93歳で異時性両側副腎転移を腹腔鏡下に切除した肝細胞癌の1例
立石 昌樹高見 裕子龍 知記御鍵 和弘和田 幸之才津 秀樹
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2016 年 77 巻 3 号 p. 614-617

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抄録

高齢者肝細胞癌(以下,HCC)の異時性両側副腎転移に対し腹腔鏡下副腎摘出術が有効であった1例を経験した.症例は93歳,男性.2008年(86歳時),HCCに対しマイクロ波凝固壊死療法(MCN)を施行した.2009年,左副腎にHCC転移を認め,腹腔鏡下左副腎摘出術を施行した.2011年,HCC再発を認め,肝動脈化学塞栓療法(以下TACE)を施行した.2014年,CTにて右副腎にHCC転移を認め,グルココルチコイド補充下に腹腔鏡下右副腎摘出術を施行した.HCC初回手術から7年,現在再発なく生存中.両側異時性副腎転移に対し,その治療法選択は年齢や全身状態,様々な患者背景へ配慮が必要であったが,外科治療を施行し,経過良好であった.高齢者のHCCは増加傾向にあり21)~23),副腎転移に対する腹腔鏡下摘出術は低侵襲でQOL(quality of life)を考慮した有効な治療法と思われた1)

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