抄録
症例は1歳4カ月の女児で,1カ月前から黄疸と灰白色の軟便が認められていた.感冒症状で近医を受診した際に,肝内および肝外胆管の拡張を指摘され当科紹介となった.CTで肝内胆管の拡張と腹腔内を占める径11cmに拡張した総胆管が認められ,戸谷分類IV-A型の先天性胆道拡張症と診断した.その後,胆管炎による敗血症を引き起こし,Tチューブを用いた胆管外瘻造設術を要した.全身状態の改善後に拡張胆管切除,肝管空腸吻合術を施行した.術後経過良好で根治手術後15日目に退院した.巨大な嚢腫型の先天性胆道拡張症では,胆汁うっ滞による胆管炎を併発すると重篤となる場合があり,胆道ドレナージは炎症状態のコントロールと拡張胆管切離にとって有効と考えられた.