抄録
症例は27歳,男性.発熱・下腹部痛を主訴に来院した.腹部造影CTで,左腎静脈下・下大静脈と腹部大動脈の間に3.0cm大の嚢胞性腫瘤を認めた.PET-CT・EUS-FNA等で精査するも確定診断を得られず,4カ月後に施行したフォローのCTで6.0cmと増大傾向を認めたため,診断目的で腫瘍切除術を施行した.免疫組織染色による検討により胎児性癌が疑われたため,精巣腫瘍の可能性を考慮し,診断目的で泌尿器科で除睾術を施行された.病理組織検査で摘出した後腹膜腫瘍と同一の組織像を認め,精巣原発胎児性癌の後腹膜転移と診断された.後腹膜腫瘍の診断において,頻度は少ないが,鑑別として精巣腫瘍の後腹膜転移も考慮する必要がある.