日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下手術により修復したMorgagni孔ヘルニアの1例
森嶋 計東條 峰之奥山 隆高橋 修平澁澤 公行
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2016 年 77 巻 4 号 p. 799-803

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抄録

症例は75歳,女性.繰り返す嘔吐に対して食道裂孔ヘルニアの診断で内服加療していた.食後の嘔吐のため外来受診した.胸部X線検査で右下肺野横隔膜上にガス像を伴う腫瘤様陰影を認めた.CT検査で腹腔内から右胸腔内へ脱出する胃と横行結腸を認め,Morgagni孔ヘルニアと診断した.腹腔鏡下に腹腔内を観察すると,胸骨後面右側に5×6cmのヘルニア門を認め,横行結腸と大網が陥入していた.ヘルニア嚢は切除せず,ヘルニア門にComposix Mesh(E/X)®を固定して手術を終了した.術後,ポート孔の皮下出血を認めたが保存的治療で軽快し,術後22病日に退院した.術後2年の現在再発を認めていない.本疾患に対する腹腔鏡下手術は簡便,低侵襲であり有用な方法であると考えられた.

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© 2016 日本臨床外科学会
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